「エピペン」というお薬をご存じでしょうか。
エピペンとは、過剰なアレルギー反応（アナフィラキシーショック）を抑える注射型のお薬です。
食物アレルギーの反応が強く出た時などに自分や周りの方が使用し、医療機関を受診するまで命をつないでくれるお薬です。
そのエピペン、暑くなってきている今の時期に重要度が増す要因があります。
ハチです。
ハチに刺されると１回目でも２回目以降でも痛いのは変わりませんが、危険な状態になりやすいのは、2回目以降に刺されたときです。
１度ハチに刺されると、体内にはハチ毒をやっつける免疫が出来ます。
2回目に刺されると、ハチ毒に対する免疫が過剰反応してしまう事があるのです。
それが「アナフィラキシーショック」です。
ハチ毒によるショックは、全身に広がるじんましん、意識障害、腹痛、めまい、呼吸困難などの症状として表れます。
ひどい場合は３０分程度で意識を失ったり命を落としたりしてしまいます。
また、初めてハチに刺されたとしても、ハチの群れに襲われるなどして一度に何度も刺されてもアナフィラキシーショックが起こる事があります。
エピペンはその免疫の過剰反応「アナフィラキシーショック」を抑えてくれる重要なお薬です。
医師の処方せんが必要なお薬です。
先日こんな方がいらっしゃいました。
普段から当店をご利用いただいている方なのですが、その日は右腕を真っ赤に腫らしてご来店されました。
お聞きすると「畑で桃取りをしていたところ、ハチに刺されてしまった。右腕が一気に腫れてきてしまった。何か良い薬はないですか？」との事でした。
ひとまず虫刺されに大きな効果を出す漢方薬（五苓黄解+葛根湯）をお飲み頂き、抗炎症作用の強い虫刺されを塗ってもらいました。
この組み合わせは鉄板で、毒の強い虫に刺された時に使うと腫れが素早く引いてくれるのです。
これまでもひどい虫刺されのお客様に何度喜んで頂いたことか数えきれないほどです。
その後念のためクリニックさんの受診をお勧めしましたが・・・
「そういえば、ハチに刺されたのは初めてですか？」
「いえいえ、３回目ですよ」
３回目！？
アナフィラキシーショックは１５分から３０分以内に発症するとされますので、今回は幸運にもセーフだったのかもしれません。
ですが、夏はまだこれから。ハチの活動もまだまだこれから活発化する時期です。
再度ハチに刺されてしまった場合に再び無事かどうかの保証はありませんので、その方にはエピペンを処方して頂けるクリニックを紹介いたしました。
いったんハチに刺されると免疫がしばらく作られ続けます。
そのため、１回刺されてから１～２年以内に再び刺されると、アナフィラキシーショックの起こるリスクが非常に高いとされています。
普段生活している環境等からハチに刺される可能性が高い方などは、一度エピペンについて医師と相談されてはいかがでしょうか。
※エピペン処方可能なクリニックをまとめているサイトがありました。ご参考まで。
病院なび
https://byoinnavi.jp/fukushima/kenpoku/o11
※お客様がお帰りになっておよそ１時間後、たまたま別の場所でそのお客様とお会いしました。
腕を見せて頂くと腫れはかなり引いていました。
刺されて何もしていなければ今頃腫れは相当ひどくなっていたのではと思うと、漢方の素晴らしい効果を再確認したのでした。