新型コロナウィルス感染症が2月下旬に拡大を始めて早9カ月近く。
先日アメリカで効果的なワクチンが! というニュースが出ましたが、まだまだ収束がほど遠い状況であることは残念ですが事実であり、今冬にはさらなる拡大が起こるのではないかとの予想が多く出ています。
一方、西洋薬以外での治療法として漢方薬を取り入れた例が中国で報告され、注目されています。
漢方薬自体には、細菌やウイルスを直接殺すような働きはありません。
しかしながら、体の免疫機能を高めて、人間の元々持っている自然治癒力を高めることで早期の回復が期待されています。
例えば「補中益気湯」という漢方薬があります。
胃腸を丈夫にして体力を回復させ、元気を取り戻すのを助ける漢方薬です。体力を保つには、食生活を含めた日々の養生が大切ですが、この補中益気湯もその助けになります。
また、「桂枝茯苓丸」などの血液循環を改善する漢方薬にも注目です。
新型コロナウイルスでは血栓症の報告もされています。BBCニュースでは新型コロナウイルスに感染した患者のうち重症患者の約30%に血栓が見られていると記事で報じています。
(BBCニュースの記事です)
https://www.bbc.com/japanese/52752565
血栓症とは血液の詰まり。漢方の世界では血液の詰まりを「瘀血(おけつ)」と呼びますが、桂枝茯苓丸や田七人参などを含む漢方薬はそういった瘀血に効果的と言われております。
さらに、新型コロナウイルスの症状を悪化させる要因に「サイトカインストーム」という現象があります。
「サイトカイン」とは、体がダメージを受けると細胞に信号を送って、細胞を増殖させたり分化させたりして炎症を抑え、体を守るために働くシグナルの様な物です。
細胞をパワーアップさせる様にも見えるため、細胞のエナジードリンク等と呼ばれることもあります。
このサイトカインは体がウイルスなどから身を守るために放出している物なのですが、炎症が長く続くとサイトカインが暴走して過剰になってしまいます。
そうなると体を守るためのサイトカインがきっかけとなって逆に炎症が増大し、細胞を傷つけてしまう事になります。
そういったサイトカインストームに使うと効果的と考えられているのが「フコキサンチン」です。
フコキサンチンとは褐藻類と呼ばれる海藻の色素成分で、炎症を抑制し、サイトカインストームを抑える働きが期待されています。
フコキサンチンは痛みや腫れはもちろん、リウマチや黄斑変性症などの血管新生から起こる諸症状にもお勧めです。
これからの季節、風邪やインフルエンザが流行り始める季節です。
今時分、風邪なのか新型コロナウイルスなのか判断に迷う事もあるかと思いますが、風邪かな? と思った時点で葛根湯や麻黄湯の服用がおすすめです。
葛根湯は風邪の引き始めに。麻黄湯はインフルエンザで使われる漢方薬で有名ですが、それぞれ身体を温めウイルスの働きを弱める効果があると言われています。
もちろん、風邪やインフルだけでない可能性もありますので、漢方薬だけでの治癒を期待せず、かならず新型コロナウイルス対応を行っている病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。