先日は統合医療推進研究会という研究会に参加してきました。
統合医療という名前から推測できるように、西洋医学と東洋医学、それぞれの研究をし、良いとこ取りをして行こうという趣旨の会で、血液検査の数値、項目についての話がありました。
その人の栄養状態を見る指標として使われる検査数値の項目に、タンパク質の一種である「アルブミン(ALB)」というものがあります。
アルブミンとは、血液中に含まれるたんぱく質の中で最も多い割合を占めている成分で、簡単に言うと、アルブミンが低下すると低栄養、高い状態だと栄養が豊富、といった具合に考えられる事になります。
アルブミンは様々な食品に含まれますが、特にお肉などのタンパク質を多く摂取すると上昇していきます。
先日の研究会ではそのアルブミンの重要さを教えられました。
アルブミンが高い、つまり良い栄養状態にあると細胞の回復が早まり、免疫力も良好な状態になってゆきます。
逆にあまり食べれらずにアルブミンが低い状態にあると免疫力は低くなるわけです。数値の目安として、できれば4.0以上は欲しい、4.5あるとかなり良い、とのことでした。
こんなデータがあります。
アルブミンの状態によって、がんの手術後30日以内の感染症にかかる確率が大きく変わるというものです。
手術前のアルブミン値が4.5以上ある人は、手術後に感染症にかかる確率が10%で、アルブミンが2.1以下の人は65%だそうです。その差、なんと6.5倍です。
さらに感染症にかかって死亡する確率にもアルブミンは大きく影響します。アルブミンが4.5以上の人では死亡率が1%以下、逆にアルブミンが2.1以下の人はなんと29%。
つまり栄養状態が悪いままに手術をすると、たとえ手術に成功したとしても、その後感染症にかかる確率が高くなり、さらには死亡率がおよそ30倍に跳ね上がる、という事になります。
アルブミンがしっかりある方は免疫力も高まると考えてよさそうです。