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慢性腰痛の正体? 1

慢性の腰痛についてです。(ぎっくり腰など急性の腰痛は別の考えになります。) 

私も今から約20年前に腰痛になりました。当時のアルバイト先での事です。休憩所の畳に横になっていたのですが、休憩時間が終わって起き上がろうとした時、突き刺すような物凄い痛みが腰を襲いました。痛みで20分以上は全く動けませんでした。

翌日整形外科での診断名は椎間板ヘルニア。MRIを撮られ、椎間板が飛び出して神経を圧迫し、痛みが出ていますと説明を受けました。その後色々な治療をしましたが改善せず、福島に帰り、漢方と接骨院に通って回復したという経験がありました。

薬局で働くようになってから、腰痛で悩み整形外科の治療(手術含む)で治らず、それでも病院に通い続けている方を多く見ました。逆に漢方などで良くなった方もおられました。漢方を飲んだからと言って飛び出た椎間板が引っ込んだり、狭くなった脊柱管が広くなったりするとは到底考えられません。何故なのかと長年疑問に思っていました。

先日漢方の勉強会に行った際、その疑問が氷解しました。飛び出した椎間板による神経の圧迫は痛みの原因ではないというのです。変形した骨に神経が圧迫されて痛むとされている脊柱管狭窄症も同様です。

神経が圧迫されて何かしらの症状が起こるとしたら、痛みではなく麻痺。つまり針で刺しても痛みを感じないような状態です。ほとんどの腰痛はこんな状態ではないはずです。

 

1995年のカナダの調査で、腰痛のない健常者のうち76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が見つかったそうです。また、EUが行った調査では、重い病気や骨折など原因のハッキリした腰痛はわずか5%程度で、残りの95%が原因不明だというのでした。ヘルニアは原因のはっきりした方に含まれますが、上記の通りヘルニアが痛みの原因という考えは覆りつつあります。つまりヘルニアが、神経の圧迫が痛みの原因ではなかったということです。